なますて!
インドのヒマラヤ製品使い続けて3カ月経ち、なんか肌の調子がいいぺこ(@sekaigurashi)です。やっほーい♪
今回はタミルナドゥ州に入ってからやたら見かける人についてのお話です。おばさんなんて言ったらタミルナドゥ出身の方々から怒られそうですが、この全部読んだら許してくれる!・・・はず!!インドの方々どうぞ良しなによろしくお願いします。
では、マハーバリプラムで謎のおばさんの正体がわかったのでそのもようをシェアします。
街でよく見かけるおばさん、この人は一体何者?
チェンナイに入ってからというもの、街のあちこちでやたらみかける人がいました。
街で何度も見る顔は何人かいたのですが、最も頻度が多い女性の正体が全然わかりませんでした。
それがこの写真の方。
わかりますか?左側の壁に貼ってある大きな張り紙の女性です。
私はこのおばさんを街のあちこちでやたら見かけ、この人は一体誰だろうと不思議に思っていました。
私の頭の中によぎったのは、タイの光景。タイでは街のあちこちにタイの王様や王妃様の肖像画や写真がかかげられています。それこそ道路や建物や、民家の中などに。
インドでもこんなあちこち見かけるとしたら、大層街の人に愛されている存在に違いありません。でもご存知の通り、インドで藩王制は終わりを迎えているし・・・。
チェンナイを出たあとも、この人はたくさん見かけました。
下は病院と思われるところ。産婦人科か?
そして、マハーバリプラムで泊まっていたRAJALAKSHMI Guesthouseの隣の宿にこんなのが飾ってあるのを見て、遂に私はこの人が誰なのか、この近くでテレビを見てた隣の宿の従業員に尋ねてみました。
するとなんとこの人の正体は、タミルナドゥ州の前州首相。なぜここに彼女の肖像画を飾っているのか尋ねると、彼女がタミルナドゥの人々にどれだけ愛されていたかを語ってくれました。
彼女は実家と縁を切ったうえ生涯独身を貫き、タミルナドゥの発展に大きく貢献したそうです。
その彼女が最近亡くなってしまい、それを知った人々の悲しみはそれはもう大きかったそうな。
なんと。今まで心の中でおばさん呼ばわりしていて本当にごめんなさい。
彼女の名前はジャヤラリタ・ジャヤラム。マイソールのバラモンの出身のようですが、実家とは絶縁しているそう。
享年68歳で亡くなったのは2016年12月5日。ジャヤラリタ氏は、州民からは「アンマ=お母さん」と呼ばれるほど親しまれるインド屈指の人気政治家だったそうで、あちこちで顔写真を見かけたのも納得しました。
帰国後ネット上のニュース記事をいくつか読んだところ、ジャヤラリタ氏は映画女優出身でタミル語映画のスターとして活躍した後、政治家に転身したそうです。
私は隣の宿の従業員の話を聞いて、インド版鉄の女、イギリスのマーガレット・サッチャーのような人を想像していたのですが、鉄の女というよりはとてもインドらしい魅力を持つ政治家だと感じました。
というのもジャヤラリタ前州首相には汚職事件や女同士の闘いなど数々のスキャンダルがあり、汚職で逮捕されるまでの事態にも見舞われたものの、通算14年間、5度に渡って就任した州首相として貧困層の支援などで絶大な人気を誇り、実際タミルナドゥ州がこの15年ほどで劇的に発展しているのは間違いないようです。
日本経済研究センターの記事には以下のような記載がありました。
タミルナドゥ州は過去15年間でさまざまな社会指標が劇的に改善。出生率や乳児死亡率、女性や子供に対する犯罪の発生率はいずれもインド各州の中で1、2位を争う低さだ。近年はインフラ整備を追い風に、州内の工業団地への外資誘致も加速していた。
氏の波乱万丈の人生はもちろん、この政治家が絶大な人気を誇るところにインドらしさを見たような気もしました。
一介の旅人である私が会えるような存在ではないのは承知の上、それでも彼女が本当は一体どんな人だったのか、生前に一度会ってみたかったなどと思ったのでした。
タミルナドゥの発展を支えた”女傑”政治家であるジャヤラリタ・ジャヤラム氏のご冥福をお祈りし、今後タミルナドゥとインドで貧困に苦しむ人が少しでも減ることを願って。
今回はこのあたりで失礼します。
参考記事
- JayalalithaaーWikipedia
-
Jayaraman Jayalalithaa, ‘goddess’ of Indian politics, dies at 68ーCNN
- TN州首相が死去、後任にパニールセルバン州財務相ー日本貿易振興機構
- [タミル・ナドゥ州]ジャヤラリタ首相が死去ーINDO WATCHERビジネスプレミアム
- 2016年12月7日 番外編 ジャヤラリタ・タミルナドゥ州首相死去ー日本経済研究センター
- 印南部の「母」ジャヤラリタ州首相が死去 大衆に愛された元女優ーAFP BB NEWS