なますて!
この短期留学シリーズもついに最終回・・・となると思います。
最終回ということで、ちょっと気合を入れて、これからインドに英語留学しようとしている方のために、1か月通ってみてわかったSEE Academyの全てをお伝えしたいと思います。その結果、SEE Academyでの勉強がおすすめできない場合が多いのもまた事実。
記事の執筆がんばるぞー!おー!!
SEE Academy総評
SEE Academyとは
SEE Academyとはインドのシリコンバレーとも言われるバンガロールにある私設の英語学校です。
私はこの学校に2017年3月に1か月間通いました。私が調べた限りでは、最安値で英語を学ぶことができる学校です。
★授業料:1日:Speaking(1時間)+Grammar(2時間)+Vocabulary(2時間)× 週5日+Activity半日で計12,000Rs*/1か月 *仮に1Rs=2円で計算すると24,000円
★教材:ケンブリッジ大学出版のもの(=イギリス英語)は別料金(2冊で1125Rs)
授業の種類と料金について
授業は一般的に、Speaking(会話)、Grammar(文法)、そしてVocabulary(語彙)という3つの授業に分かれています。
そしてベーシックなプランではSpeakingが1日1時間、Grammarが1日2時間、Vocabularyが1日2時間で計1日5時間授業があり、それを月曜から金曜にまで週に5日行います。土曜日は1週間のテストと特別なアクティビティーをする日で、だいたい13時くらいまでで終わります。日曜日と国民の休日はお休みです。また、1カ月に1日はお休みの土曜日があります。(第3土曜日だったかな?)
このベーシックなプランでは、授業は全て5~10人程度のクラス形式です。
クラス形式ではなく1対1の個別授業を希望する場合、個別の授業のコースも用意されています。この場合、Speaking、Grammar、Vocabularyの授業はそれぞれ1時間ずつで、自由に組み合わせることができます。
1カ月の料金はベーシックなクラス形式のコースだと、
1日:Speaking(1時間)+Grammar(2時間)+Vocabulary(2時間)× 週5日+Activity半日で計12,000Rs*/1か月です。
*仮に1Rs=2円で計算すると24,000円
個別の授業の場合、料金は1授業ごとに加算されます。どの種類の授業も1時間4000Rs/1カ月です。
仮にSpeakingに重きを置く方が、Speaking2時間(1時間の授業を2回、それぞれ違う先生で)、Grammarを1時間、Vocabularyを1時間受けたとして、1か月の料金は
1日4時間を週に5日+半日Activityで4000Rs×4となるため、16,000Rs*/1カ月です。
*仮に1Rs=2円で計算すると32,000円
この個別授業を利用するなら、就業中に1日1時間だけ授業をとったり、週1のレッスンとすることも可能です。
土曜日のテストとアクティビティーについて
土曜日はまず、9時からテストがあります。1週間で習った範囲を習得しているかみるドリルのようなテストをします。これが全部終わらないと次のレベルに上がれないそうです。
採点は先生が時間があるときにやってくれます。
そのテストの後、アクティビティーがあります。プレゼンテーションをしたり、その準備をしたり、ロールプレイをしたりと様々。
時々〇〇の日という特別なイベントの日があるらしく、例えばREDの日だったら皆赤い服を着て登校し、コンテストをするらしいです。私は一度もこの日に巡り合わなかったのですが、後に写真が送られてきました。
また、学校が主導してどこかに遊びにいくこともあるみたいです。私がいるときはWonderla Amusement Parkに遊びに行く人を募ってました。私は行かなかったのですが、インドの水のテーマパーク的な感じらしいです。インドのNo.1アミューズメントパークらしいですよ。
気になる方は、トップアドバイザーをみてみてください。
Wonderla Amusement Park -トリップアドバイザー
授業のレベルについて
ベーシックなクラス授業を受ける場合、授業のレベルが設定されています。
Level 0 ・・・アルファベットから学ぶ。文法の基礎について。最も重要な語彙の学習。ReadingとSpeaking、そしてListeningを学ぶ。
Level 1・・・文法。重要な語彙の学習。Reading、SpeakingおよびListening。
Basic Level(45日)・・・必須の文法と重要な語彙の学習。チームワーク。計画と行動。(→中学英語レベルの完成)
Intermediate Level(45日)・・・Intermediate(中間)レベルの文法。Writingの練習。日常生活に必要な語彙。(→高校英語レベルの完成)
Pre-Advanced Level・・・高度な文法。難易度の高い語彙。IntermediateとAdvancedの中間。
Advanced Level(45日)・・・コミュニケーションにおける文法。インタビューやニュース、レポート、プレゼンテーションについて。発音やアクセントの矯正。
私はIntermediate Levelから始まりました。ちなみに、TOEICは留学前に日本で受けたものが570点でした。
全45日間のコースなので途中参加でしたが、あまり支障はありませんでした。私が学校を去る3月末でちょうど全授業が終了し、同じクラスの生徒たちがPre-Acvancedに上がれるかというところでした。
日本人の場合、文法の基礎から勉強したい人でもBasicからになると思います。Level 0とかは流石にないと思います。
これらのクラスは最初に行われる簡単なテストの結果で振り分けられますが、授業を受けてみてレベルに合ってない場合は先生に相談すればレベルを変えることもできます。
Intermediateレベルに参加しての感想は、文法については高校で習う範囲だということ。「ああこれ、そういえば高校で習ったなぁ」という文法です。しかし、文法を英語で学びなおすのは面白かったです。これはこういうことだったのかとか、こういう捉え方をするんだなという新しい発見もあったり。文法用語が全て英語に変わるため、最初は戸惑いますがすぐに慣れます。
私は語彙が弱いため、語彙の授業に関しては習得していない語彙ばかりでした。高校英語だと、論文にでてくるような単語を習っていて、生活用語とかは習っていないことも多いですよね。
スピーキングの授業は先生を交えてクラスで会話するというもの。先生との相性がよければ楽しい授業になると思います。ただ発言力の弱い日本人やタイ人はあまり話さず、勢いの強いアラブ系男子の独壇場となる傾向があります。私のスピーキングクラスの先生は博識な良い先生で、時に英語のゲームをしたり、生徒の好きな話をしたりと悪くない時間だったと思います。1度、第2次世界大戦の話になってひやっとしたこと(難しい話題。何を話せばいいんだ)がありましたが、先生が親日的なお陰で気まずい話の展開にはなりませんでした。むしろ日本をべた褒めしてくれるので逆に困惑します。(でも日本は実は・・・っていう嫌な話をしてみたくなったり)
Basicのクラスに通っていた日本人の友人曰く、Basicではアラブ諸国出身者たちがアラビア語で話してしまうため、なかなか授業が進まないという話でした。英語よりアラビア語を覚えそうだったため、個別授業に変更したそうです。Intermediateではそこまでは感じませんでしたが、時折アラビア語が聞こえることがあります。
その他のコースについて
その他のコースとして以下のものがあります。
- Business English・・・ビジネス英語を学ぶ。35日間
- IELTS/ TOEFL・・・各テスト対策コース。生徒のレベルによって期間は異なる
- Diploma in English・・・准学士号取得のためのコース。6カ月間
- KET / PET・・・ケンブリッジ英語検定のためのコース。1カ月間
詳細はわからないので、希望する方は学校に問い合わせてみてください。ちなみに文法の授業が一緒だったイエメン人男子3人はPETを学校で受けていました。それのための勉強や授業とかも受けていたみたいです。
英語以外の授業と料金
SEE Academyには英語以外の授業もあります。
- ウェブスキル・・・1日2時間×週5日。5,000Rs/月
- ヒンディー語・・・1日2時間×週5日。5,000Rs/月
- アーユルヴェーダ学基礎・・・1日2時間×週5日。日本人で習っている方がいて料金を聞いたのですが忘れてしまいました。ヒンディー語とかと同じ5000Rs/月かな?
- ヨガ・・・1日1時間×週3回。1,000Rs/月
生徒の編成について
私のクラスのメンバーの国別割合は、Speaking、Grammar、Vocabularyでそれぞれ異なりますが、だいたいイエメン+サウジ+その他アラブ圏で7割。タイ人1割、日本人1割、モンゴル人1割という感じです。全てのクラスで日本人は私のみでした。
学校全体をみると、アラブ諸国出身者が8割程度、残りの2割のうち、一番多いのがモンゴル人で、日本人とタイ人は同じくらいかと思います。
また、アラブ諸国出身学生は総じて10代が多いです。親の方針により、自国やアメリカなどの大学に入る前の段階としてインドに6カ月程度の語学留学に来ている場合が多いです。
タイ人にも高校の長期休暇を利用して英語を勉強しに来ている学生もいましたが、タイ人の場合、大学生だったり、大学卒業後の学生もいました。
モンゴル人が最も日本人生徒と年齢的に近く、大学卒業後の学生が多いです。しかし、モンゴル人の場合、より高いキャリアの一部としてSEE Academyのインド留学を利用しているのに対し、日本人はキャリアを捨てて、あるいはキャリアとは関係なくインドに来たというケースが多いと感じました。
他国のほとんどの生徒は3カ月~6カ月SEE Academyに通って、その後の進路に進みます。
私が知り合ったモンゴル人のうち、1人は6カ月SEE Academyに通い、その後2年間バンガロールの大学院に通ってMBAを取得した後、インドで働きつつモンゴルの航空会社でCAの採用が決まったそうです。もう1人はモンゴルで記者として働いたのちSEE Academyに入学し、テレビで活躍するジャーナリストを目指していました。また、もう1人はカメラマンでインド各地を撮影して回りつつ、SEE Academyで勉強しているそう。さらにクラスの後半から入ってきたモンゴル人は既に結婚して子供がおり、モンゴルで英語の先生をしているそう。なんと、モンゴルの英語教師陣が自身のスキルアップのため大人数でSEE Academyに学びにきたそうです。
対して日本人は1カ月~3カ月という人が多く、あまりキャリアという面は重視していない印象をうけました。そもそも日本ではインドでの英語留学をキャリアにしようという意識が希薄で、十分なキャリアとして認められていないような印象をうけます。日本ではインド留学に対する認識が低いのもありますが、そもそも英語留学自体が一部の人のためのものという感じで英語を外国で身に着ける、外国で学ぶという行為そのものが他国に比べると少ないのかもしれません。
教師のレベルについて
もちろん英語はペラペラですが、インド訛りの強い先生が多いです。また、インドはイギリス英語のため、アメリカ英語で育った日本人にはなじみのない発音やフレーズもあります。また、イギリス英語を正しい英語だと考えていてアメリカ英語をあまりいいものと考えていない先生もいます。
私の英語力では個人の英語のレベルについてはどのくらいなのかわかりません。しかし、皆インド人でネイティブではないため、イギリス留学やアメリカ留学先での先生と比べるとレベルが低いのは自明のことです。フィリピンの学校にも行ったことがないため、比べられません。
学校の立地・設備について
学校はバンガロールの北方の静かな住宅地にあります。メトロ駅が近くにないため、マジェスティックなどの中心部からは、オートリキシャやバスでの移動となります。
設備としては、大き目の住宅の2棟が学校として利用されています。きちんとした学校感はなく、1棟は1階は普通に人が住んでいて、2階~3階が学校として使用されています。規模でいうと本当にこじんまりした学校というべきでしょう。
教室自体は2棟合わせても12部屋くらいかと思います。そして私が思うにクーラーがついていないので、インドの暑さをファンだけで乗り切る必要がでてくると思います。私がいた3月でもまあ暑いときもありましたが、ファンをつければ涼しかったです。しかし、インドが熱いのは4月からと言われますからね・・・。
留学生活について
どのくらいしっかり勉強するか?どのくらいほかの活動(ヨガや旅など)に取り組むか?などによって留学生活は人それぞれのものになると思います。
私が一時期だけ同室だった日本人ルームメイトは、「インドでの日々が楽しくて楽しくて全然飽きない」と言っておりました。たしかにインドでの日々はそれが例えバンガロールでも驚きの連続で刺激的なのは間違いありません。
またインドはベジタリアンにとっては優しい国で、全ての食べものにベジかノンベジかの表記があります。対して日本ではベジタリアンという文化はなく、例えば市販のカレーのルーに動物性のうま味成分が使われているように、ベジタリアンにとっては難易度の高い国です。インドでは自然とベジタリアンの人に会う機会が多いです。ベジタリアンの人にとっては暮らしやす国かもしれません。
その他の留学生活についてはこれまでの記事をご覧ください。
PGについて
住む場所については、学校が近くの部屋を紹介してくれます。このタイプの部屋をPG(Paying Guesthouse)と呼ぶそうです。
安いところだと5000Rsくらいからあります。1人部屋が良い、ルームメイトが欲しいなど希望があればできる限り叶えてくれます。
私は留学生でシェアしている綺麗なマンションに8500RSで住んでいました。
VISAについて
私はインドに旅行に来る時と同じく、6カ月のマルチ観光ビザで学校に通っていましたが、学生ビザが欲しい方は事前に学校とやりとりをすることで学生ビザを取ることができます。
しかし、学生ビザで来た日本人曰く、SEE Academyは大学や公立の学校でなく、私設の小さなもののため、ビザがおりるのに長い時間がかかったということでした。
しかし、モンゴル人も学生ビザだったので、不可能ではないはずです。学生ビザの場合6カ月以上のビザも取得することができます。
どんな人がSEE Academyへの入学がおすすめか
最後に伝えたいこと。
それはSEE Academyへの入学がおすすめできる人とできない人がいるという事実。
英語を勉強するという同じ行為であっても、その目的によって選ぶべき国や学校の条件は変わってきますよね。
では、どんな人がSEE Academyで勉強するのにむいているのか。
SEE Academyをおすすめできる人
- インドが好き、またはインドにある程度の興味がある人
- インドで生活してみたい人
- TOEICのスコアが800点以下の人
- アラブ諸国、イスラム教に興味がある人
- コストを最重視する人
- とにかく留学がしたい人
- インドの大学や大学院への進学を考えている人
- 日本と異なる刺激的な毎日を求めている人
- のんびり英語を勉強したい人
- 基礎的な英語からコツコツ勉強したい人
- 旅の途中でふらっと英語を勉強したい人
<解説>
まずコストを最重視する方。コストを削れるならある程度学校の質を落としても良いと考えている人にはおすすめできます。このタイプならたとえある程度インドに免疫がなくとも(インドが好きでなくとも)、滞在費用の圧倒的な安さを考えると納得できるのではないかと思います。また、同じ理由で、特に留学に対する条件がなく、兎に角外国に留学がしたいという人にもおすすめできます。
次に、インドが好きな方。インドに滞在したい、生活したいと思っていて、それでいて英語も勉強できたらいいなと考えている方。このタイプの場合、授業のスタイルを変えることで就業中でも1日の短時間だけ学校に通うこともできます。
更に、ある程度時間に余裕がある人にはおすすめできます。例えば、6カ月ほど英語学校に通って、その後のインド現地採用を考えていたり、インドの大学院への進学を考えている人などです。
また、SEE Academyの一番下のクラスでは英語の本当に初歩の初歩から教えるので、小・中学生の英語文法レベルからコツコツ勉強していきたいと考えている人にはおすすめです。
加えて、SEE Academyは経営者一族がムスリムであるため、教師陣もほぼムスリムです。結果的にアラブ地域からの留学に強いと考えられ、サウジアラビアやイエメン出身の学生が多い傾向にあります。そのため、ムスリムが多いと嫌だという人には向いていませんが、アラブ世界に興味がある人にとっては良い環境とも言えます。
それからSEE Academyは入学が容易ですので、いまインドを放浪中という方も、ふらっとバンガロールに滞在して英語を勉強することができます。旅の途中で英語の重要性に気づいたという人にとっては良い選択肢となる可能性があります。
SEE Academyをおすすめできない人
- インドが嫌いな人
- 潔癖症な人
- 最新の効率的なプログラムで最速で英語を習得したい人
- TOEIC800点以上の人
- アラブ諸国、イスラム教が嫌いな人
- 時間がない人・タイムリミットがある人
- イギリス英語やアメリカ英語のネイティブの教師に教えてほしい人
- きちんとした学校の規則やルールの下で学習したい人
- クーラー完備などの設備を重視する人
<解説>
まず、インドが嫌いな人はインドでの生活に耐えられない可能性があります。また潔癖症な方についてはお金をかければある程度(住居や食べ物など)改善できますが、根本的には難しいでしょう。英語にも習得に向けてのメゾットがたくさんあります。SEE Academyの場合、効率的なメゾットを取り入れているとは言い難い現状にあります。最新あるいは最適で効率的なプログラムで英語を勉強したい方はもっときちんとした学校にお金をかけてでも行ったほうが良いでしょう。また、SEE Academyの学生は総じてレベルがあまり高くない印象をうけました。TOEIC800点以上などの英語中上級者の方はSpeakingが苦手で英語で会話する時間が欲しいという場合を除き、あまり得るものがないかもしれません。
同じ理由で、ある程度の時間的余裕がなくのんびり英語を勉強できない方には向いていないと思います。
また、おすすめの人の解説でも書いた通り、アラブ諸国出身の生徒やムスリムの先生が多いため、苦手な方にはおすすめできません。
さらに、インドはイギリスの植民地だったこともあり、イギリス英語が浸透しています。アメリカ英語の習得を希望する方にはむいておりません。そもそも、インド英語はインド訛りが強いため、きれいな発音を求める方にはおすすめできません。先生方はみなインド人なので、アメリカ英語ネイティブや、イギリス英語ネイティブに教えてほしい人にもおすすめできません。
また、母国語禁止や宿題の量や管理などを徹底し、寮での勉強が何時までと義務つけられているような徹底したルールや管理の元で勉強したい方にもむいておりません。さらに学校の設備が良くないので、クーラーをはじめとするきちんとした設備を求める方にもおすすめできません。
以上です。
いかがだったでしょうか。
ちなみに私のTOEICのスコアは留学後615点になりました。
1カ月で45点ほど伸びたことになります。大きいととるか、小さいととるか。
まだまだ勉強あるのみ!な英語力なのでしたーー。私の場合、とりあえず語彙だ。よし。
「おすすめな人」をみてピンときた人には、案外SEE Academyも向いてるかもしれません。
そうだ、英語を勉強しにインドへ行こう!
気になっちゃった方はこちらもどうぞ。