インド映画を観たことありますか?
どうもこんにちは。
インド好きと言いつつ、あまりインド映画には詳しくないぺこ(@sekaigurashi)です。
近頃は最新のインド映画も日本で上映されることが多くなってきてます!
インド映画が映画館で観れる機会が増えるのはとってもうれしいことですね!!
今回は2018年10月27日から日本で公開されたインド映画『ガンジスに還る』をご紹介します。
いい意味でインド映画らしくない、とっても興味深い作品でした。
ぜひどうぞ。
『ガンジスに還る』ってどんな作品?
2018年10月27日から日本で公開になったインド映画です。
公開日から12月14日までは東京・神保町にある岩波ホールで1日4回上映されていました。
現在でも、東京ではユジク阿佐ヶ谷で2019年2月1日まで1日1回上映されています。
そのほか、岩手や群馬、新潟など、時期によって上映館が異なるので映画.comなどで検索してみてください。
ガンジス河とインド人の死生観
インドと聞いて、ガンジス河を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
ヒマラヤ山脈の氷河を水源に、ヨガの聖地リシュケシュや、一大聖地バラナシを通り、バングラデシュへと流れ込む大河です。
そしてヒンドゥー教にとってガンジス河は聖なる河とされています。
なかでもバラナシはヒンドゥー教徒にとっては特別な聖地。
https://www.sekaigurashi.com/travellog/india-travellog/baranasi
沐浴すれば全ての罪が洗い流され、遺灰を流せば輪廻からの解脱が得られるとされています。
とくに敬虔なヒンドゥー教徒は、死期が近づいたらバラナシで死ぬためこの地を訪れ、「解脱の家」で自分の死が訪れるのを待つといいます。
私はこれまでに2回バラナシを訪れていますが、まだ「解脱の家」を実際に見たことはなく、現在はほぼ無くなったののではないかとさえ思っていたのですが……。
そんなことはないようです。
英語の記事ではありますが、こんな記事を見つけました。
Mukti Bhavan – The hotel where people check-in to die
バラナシの解脱の家について書いたもので2015年の記事です。
そして、2018年日本公開の『ガンジスに還る』はまさにこの「解脱の家」を題材にした作品。
インドのヒンドゥーの死生観を垣間見ることができる作品です。
インドと日本での公開
この作品、日本公開タイトルは「ガンジスに還る」ですが、
英題は「Hotel Salvation」=「救済のホテル」
インドでは「Mukti Bhavan」=「解脱の家」
として、2016年に公開されました。
日本での公開は2年後だったということですね。
若き映画監督シュバシシュ・ブティアニ
この映画の脚本・監督を務めたシュバシシュ・ブティアニは1991年7月20日生まれ。
つまり、2019年1月現在27歳。
『ガンジスに還る』が公開されたのが2016年の9月のため、24歳時に撮影、25歳でこの映画を世に出したことになります。
この若さでインドの生と死を題材とした作品を描き、その映画が2016年のヴェネツィア国際映画祭でビエンナーレ・カレッジ・シネマ部門でエンリコ・フルキニョーニ賞を受賞など数々の賞に輝きました。
いったいどんな映画なのか、とても気になりますよね。
映画の主人公は仕事人間のおじさん
主演はアディル・フセインという俳優で、1963年10月5日インド・アッサム生まれという、御年55歳。
『マダム・イン・ニューヨーク』にでている人みたいです。
インド映画といえば、若いヒーローとヒロインが躍るイメージが強いかと思うのですが、そんなステレオタイプからはかけ離れています。
彼はラジーヴという役で、仕事ばかりに追われているインドの頑固おやじを演じます。
あとは、ラジーブのお父さんを演じるラリット・ベヘル、ラジーブの妻ラタを演じるギータンジャリ・クルカルニ、ラジーブの娘スニタを演じるパロミ・ゴーシュ、解脱の家の住人ヴィムラを演じるナヴニンドラ・ベヘルなどが主要な役どころ。
娘スニタ以外はみんな中高年です。
とくに主人公が”仕事人間”ということで、日本人でも感情移入しやすいのではないでしょうか。
あらすじ
生と死を描いた映画というとかなりシリアスな内容を連想しますが、
この映画はどことなくコメディタッチ。
もちろん、泣かせる場面もあるのですが、私は暗い映画という印象はありません。
バラナシにいた時にも思ったのですが、インドの死は日本の死よりも”恐ろしい存在”ではないような……
公式サイトからあらすじを抜粋。
ある日、家族が揃った食卓で父ダヤが「わしは死期の訪れを感じている。バラナシに行こうと思う」と告げる。家族の不安をよそに、父の決意は固い。仕事人間の息子ラジーヴは仕方なく付き添うことを決める。
ふたりは長い時間をかけて目的の場所バラナシにある「解脱の家」に辿り着く。そこは幾つかのルールが決められ、様々な理由で人々が暮らしていた。すぐに住民たちに心を開くダヤと、なかなか馴染めないラジーヴ。
「解脱しようとしまいと、滞在は最大15日まで」。
一日一日とその日が近づき、ラジーヴは仕事の為に早く帰りたい気持ちと父が心配でならない思いに揺れる。
はじめは衝突しあうも、雄大に流れるガンジス河は、次第に父子の関係をほぐしていく。旅立つ者の心の動き、それを見守る家族のまなざし。果たして、ダヤは幸福な人生の終焉を迎えられるのか――?
ガンジス河に還る公式HPより
同じように解脱の家にやってきても、すっと死を迎えられる人、いつまでたってもその時がこない人など、死の訪れは人それぞれ。
幸福な最期の迎え方って、なんだろう?
死に向き合うことで、人生や、家族の絆について問い直す、ユーモアに溢れたヒューマンドラマです。
インド映画では死をこんな風に描くのか~と、単にヒンドゥーの死生観を垣間見ることができただけでなく
私はどうやって死を迎えたいだろう?
と考えさせてくれた作品でもありました。
インド好きでなくても、ぜひ観てみてみてほしい作品です!!
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まだの人は、ぜひ観てみてくださいね。
主役のアディル・フセインが出演!
インド映画で一番好きなのはこれ!
日本でも大ヒットのスペクタクル超大作!王を称えよ!!
『ガンジス河に還る』をみたい人は映画館へ急げ!!
劇場スクリーンで観れる機会が増えてきたとはいえ、
インド映画は上映館・スケジュールが限られています。
『ガンジス河に還る』を観たい首都圏在住者はいますぐユジク阿佐ヶ谷へ急ぎましょう!